NPOで食っていけるか?(不登校児支援のNPO)
ガテン系はどうだ(引っ越し屋)
結局半年して、元のSI屋に戻ってしまったのですが、NPOはSI屋に戻ってからも二年ほどボランティアを続けていました。
今となっては「そもそもSIが嫌だったのだ」という結論に達しましたが、それは又の機会に。
今回はNPOの話を少し。
そのNPOは専属の職員は理事長一人で、その他の理事・職員は別に本職を持つボランティアでした。
私が参入した当初はNPOのメンバーは三人居て、一人が理事長、二人が別に本職を持つ理事、という構成でした。
最初のうちはみんな結束も固く、いい感じで仕事をしていたんですが、そのうちどうも結束が弱まってきます。
一人がNPOの活動に参加しなくなりがちになる。「本職が忙しくなったから」というのが理由です。
まあ、よくある話ですね。
そのうちもう一人もなんとなく来なくなり、理事長と私一人になりました。
当時ボランティア募集をかけていたので、そのころに一人、新人ボランティアが参入しました。
NPOは三人の理事が必要、ということで、理事長が私と新参入のもうひとりに、「理事にならないか」と打診します。
私ともう一人も承諾し、理事になりました。
NPOの活動と言っても地味なもので、月一回ほどの理事会と、隔週ほどのチラシ配りをし、他の大手NPOのイベントのお手伝い等々。
当時Twitter等のネットで情報発信しているNPOは殆どなかったので、私が主導でネットラジオとTwitter運営をし、ボランティア情報誌に取り上げられたことがあったようななかったような・・・。
運営費の大半は自治体の助成金がメインで、毎年の大きな仕事は、翌年度の助成金をいかにして獲得するか、という事業計画書づくりでした。それも使途は限られていて、物品はOKだけど人件費はダメ、とか。
資金は潤沢どころか、フトコロ具合は常にカツカツでした。まあ、大抵出来たてホヤホヤのNPOはそうだと思いますが。
でもやっぱり、お金欲しいよね
そんなわけなので、理事とはいえ、給料的なものはもらえませんでした。
最初はそれでも「世の中のためになることをしている」という思いがあるので割り切れるのですが、一年、二年と続けていくと、理事長から求められる成果も大きくなり、また、その頃はSI屋に復帰していたので、NPOの活動は業後か、土日にならざるを得ません。
そうなってくると、こう思うわけですね。
「なんで金もらわず無償で活動せにゃならんのだ」
とね。もうそう思う時点で「世の中のために〜」という情熱は冷めているわけです。
ボランティアと言っても、「一日チラシ配りボランティア」とか「一日公園清掃ボランティア」とかならこんなことは思わないのでしょう。
が、本職を持ちながらの、しかも理事として、NPOにおいてそれなりの責任のある立場に置かれるとやはり一日お手伝いのボランティアとは重みが違います。
結局私は、理事職の重みが情熱と釣り合わなくなりました。そして理事長と見解の相違が生じ、理事を辞するわけです。
「見解の相違」って便利な言葉ですが、ぶっちゃけ嫌になってサボったのがバレて半ばクビになったわけですが。
じゅうじゅう反省しております。
もし、理事の対価が払われていたら、また違った振る舞いが出来たのかもしれません。
この手の話はおそらく中小規模のNPOではよくある話なんだろうと思います。
(よく誤解されますが、NPOは職員に給料を出しても構いません。ただ、大手じゃないとそれだけの資金力が無いだけです。)
それが、最近流行りのブラック企業に言われるような「やりがい搾取」になるのかどうかと言われると・・・うーん、と考えてしまいますが。
NPOは職員に給料を出せるとはいっても、NPOの活動目的が「その組織の設定した目標を実現すること」ですからねえ。
「目標を達成するために無償で働け!」と言われれば、ブラック企業と構図は同じになっちゃいますね。
私もNPO活動から離れてしばらく経つので、最近のNPOはどうなんでしょうね?
なんとなく当時の辞めどきを思い出しての忸怩たる思いに、じくじくと心が傷んだのでちょっと思ったことを書いてみました。
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