絶滅危惧種「かな入力野郎」とか、ブラインドタッチの練習方法とかの話、久しぶりに買ったHHKBの話も。

「別にお前らの絶滅、危惧してない」

とミもフタもなく言われそうですが、私はかな入力野郎です。周りを見回してもそうそう同胞には会えません。


かな入力の人は少ない。

名古屋でそこそこの年数ITエンジニアをしてきましたが、IT業界内でももうかな入力の人は少なかったです。若い衆は皆ローマ字入力。

年配のエンジニアの中で数名、かな野郎にお会いしたことはありますが、肌感覚だと九割五分はローマ字入力野郎じゃないですか?

そういうわけなので、私の専用機に他人が座ると常に呪詛の声が届くわけです。

なんせ、キーボードという、重要なインターフェースとの意思の疎通の手段が失われるわけですからねえ。いつものようにローマ字を打ち込むと、

「のらみみみにそくにてち」

とかいう謎の暗号が表示されるわけです。(ちなみに、上記文字列は「こんにちわ」とかな入力モードのときにローマ字タイプした結果です)

タイプして、

「ぎゃーーなんじゃこりゃ」

なら可愛いものですが、私の顔をちらっと見て

「ちっ」

呪いの視線を送られたときなんかには、迫害されるマイノリティの気持ちの一端が理解されました。

ひどい職場では、「古橋は他人のマシンを触った場合、使い終わったら必ずローマ字入力モードに戻すこと」という口頭ルールを作られたことがあります。
ひどい。ひどすぎる。ひどすぎるので、最後に帰るときに全端末かな入力にしといたら翌日クソ怒られました。

マイノリティには優しくしようと、思いを新たにする次第です。


そもそもなんでかな入力なのアンタ

そもそもなぜ私がかな野郎なのかというと、小学生の時に初めてPCを触ったとき、父から「かな入力の方がいい。入力が早いぞ」と言われて以来です。

小学生時代はずっとキーボードを見ながらタイピングしてきましたが、中学生に上がって、「俺って将来ずっとPCと関わって生きていくんだろうなあ」というビジョンが見え始めたとき、ブラインドタッチを覚えました。(高校の時だったかもなあ、、、。忘れた)


ブラインドタッチの練習方法

ブラインドタッチの練習方法は、ディスプレイの横か下、キーボードが視界に入らない範囲のところにキー配置図の紙を貼って、あとはキーボードを見ないようにひたすら文章を打ち込むだけですね。

↓こんな感じのトレーニングシートを貼っておく
このページの真ん中の辺に、「タッチタイピング・トレーニングシート」ってのがあるので、これで練習しましょう。

https://no-mark.jp/company/touchtyping.html

「どちらの手・どの指でどのキーを押すか」がわかる図でないとダメですよ。これは重要です。

何ヶ月練習したか忘れましたが、とりあえず、人が話す速度と同じ速度でタイピングできるところまではやりこみました。半年くらい、、、だったかなあ。忘れた。

まずは毎日一時間タイピングすること。最初は日記でいいでしょう。日記に加えて小説を書いたり、エッセイみたいなのを書いてました。文章力も上がるから一石二鳥。

小説の写経なんかもやりました。見開き1ページを何分で写経できるか、とか。

必ず、「どの指がどのキーを担当するか」を意識してタイピングしてください。

僕はやりませんでしたが、同じ文章2000文字、とかを毎日毎日タイピングして速度測って、定量的に成長を確認してモチベーションを維持する方法もありかなあと思います。

遅くてもいいからブラインドでキータイプできるようになったら、トレーニングシートは外してしまいます。そろそろキー配列とどの指がどのキーの担当かは頭の中に入っているはず。
キーの配列に困ったら、できるだけ頭の中に入っている図で目標キーにたどり着いてください。

次の段階は、テレビ・ラジオの音声をタイピングします。バラエティだと話し速度が早いので、最初はニュースなんかがいいと思います。
漢字変換の正確性や、タイプミスはあまり気にしないで、とにかくキー配列を頭に、というか指に叩き込むこと。とにかく覚える、というか体に叩き込む。

聞き取りタイピングに慣れてくると、「三文字前にタイプミスがあった」みたいなのが感覚でわかるようになります。

そこまでできるようになったらもう「マスターした」と言ってよろしいかと。

ここまできたら、もう自分の話し速度で出力できるくらいにはなっているんじゃないですかね。あとはどこまでタイピング能力を高めるか、ご本人のお考え次第ですね。

ここまでくると、その日の体調もわかるようになってきます。

「うむ、今日はタイピングがノらん。不調や」とか。
そういう時はたいてい、やる気がないだけのことが多いです。

二日酔いの日とか、明らかにタイピング速度が落ちますので、何かのバロメーターに使えますよ。バロメーターにすることに意味があるかわかんないですけど。つーか二日酔いの時なんてどんな時でもパォーマンス落ちとるわなも。


日本語はそれでええけど、英語入力はどうなんや

いやー、それが、英語配列をブラインドタッチ訓練した記憶がないんですよねえ。もちろん私、英語配列もブラインドタッチできます。プログラム書くのでそっちの方が本職ですからね。

もともとプログラムの打ち込みはやってたわけで、ある程度キー配列は覚えてたんですかねえ。かな入力のブラインドタッチ習得のおまけで神様が英語配列のブラインドタッチスキルも付けてくれた、、、なんて考えられないので、本当にわかりません。気付いたら英語配列もブラインドタッチできるようになってました。と、思います。

ま、訓練方法は日本語と同じように、キーマップ表を見ながら写経でいいと思います。覚えるキーが半分で済むので、日本語よりは楽かなあと思いますし、それこそプログラム書くのは英語配列ですからね。プログラム学習しつつ、ブラインドタッチを少し意識していれば普通に習得できると思います。


キーボードは愛用品を常に使いたいところですね。

アメリカ西部のカウボーイは馬が死ぬと馬をそこに残していくが、どんなに砂漠を歩こうとも鞍は自分で担いでいく。なぜなら馬は消耗品だが、鞍は自分の体に馴染んだインターフェースだからだ。

東大名誉教授の和田英一氏の言葉

リンク先: https://news.mynavi.jp/article/20161124-a019/

22歳くらいの頃だったかなあ。この言葉に出会ったのが。

一部界隈で有名な「Happy Hacking Keyboard」の開発者の言葉です。

https://www.pfu.fujitsu.com/direct/hhkb/

昔はホームページの冒頭に上掲の文章が書いてあったと思いますが。今は無くなっちゃったんですかね。

この言葉に感銘を受けてすぐ買っちゃいましたねー。当時から安いキーボードは売っていましたが、こいつは決して安くはなかった。でも、とても素晴らしいキーボードでした。

デスクトップPCの職場ならまだしも、貸与されたノートパソコンにわざわざこのキーボードを繋げて「変な人」みたいな感じで見られたこともありましたねえ。

8年くらいは使ったと思いますが、最初の会社を辞めるときに会社に寄贈っつうか、置き忘れてきちゃってHHKBとはオサラバしました。あいつはPS/2コネクタバージョンだから、もう今どきのPCに挿さる先はあるのかないのか。

元気で暮らしていますか?

今もまだ誰かの指さきと繋がっていますか?

すでに廃棄されていますか?

もはや知る術はありません。

それからは普通にPC付属のキーボードを使い、Macのキーボードを使う今に至ります。

キーボードが変わると少しタイピングの速度も変わりますね。そのうちキーボードが変わることにも慣れます。私が会社員だった頃は数ヶ月で派遣先が変わるので、キーボードも数ヶ月で変わる感じですしたね。

ただ、たまに本当に自分の指と相性が悪いキーボードがあるので、そういう時は苦労しました。


と、いうことで

と、ここまで書いてきて、そういえば最近は「キーボードタイピング」に関するトピックスを耳にすることがなくなったなー、と。一昔前なら「キー入力能力向上」みたいなワードをそこそこ目にしたような気がするんですが。

むしろ、「英語配列をお勧め」みたいな記事を目にすることが多くなりましたかね。その辺の違い、私詳しくないので、私は「日本語配列」を使ってます。かな入力できるのは日本語配列でしかできないのかな。詳しくないから知らん。

まあ、最近の大学生も「キーボード打てない子が多い」っていう話も聞きますし、個人情報端末がPCからスマホやタブレットに変わってきて、一般の端末仕様ではキーボードの必要性が薄れてきたのは確かにあるんでしょう。

必要なものが流行り、不要なものが廃れていくのは世の常ですが、絶滅危惧(されてないかも)者の願わくば、かな入力を使ってる人の最後の一人がいなくなるまで、日本のキーボードから「ひらがな」が消えてしまわないことを望みます。


とか、言いながら

[2021/2/28]追記

買っちゃった。HHKB。

Professional HYBRIDです。

いやーこのタイピング感、久しぶりですね〜。やっぱり最高です。高速タイピングでも指にキーが吸い付いてくる感。絶妙なキーストローク。Macとか薄型のキーボードはキーストロークが浅いと思ってたんだよなー。

fnキーを左手小指の根元で押しながら右手小指でカーソルキーを操作する感覚とか。

Emacs配列とかMacのキーボードに慣れてしまった今だと少し混乱をきたすことがありますが、そのうち慣れることでしょう。

で、、、【日本語配列 かな無刻印バージョン】を買ってしまいました。

いやー、買っちった、コレ。

「日本のキーボードから、ひらがなが消えてしまわないことを望みます。」と言った舌の根も乾かぬうちから、ひらがなが消えてしまったキーボードを買ってしまいました。もちろん、ひらがなが刻印されていないだけで、ちゃんと日本語配列のキーボードとして機能しますよ。

ちなみに、HHKBには「完全無刻印バージョン」というのがありまして。

https://www.pfu.fujitsu.com/direct/hhkb/detail_pd-kb800wns.html

最初はこれを買おうと思ったんですが、「英語配列」のものにしか確か無刻印バージョンはなくて。じゃあせめて「かな刻印無し」買お!

という経緯で購入いたしました。(背信)

大変良い品でございます。

Bluetoothにも対応しております。TYPE-CのUSBでも有線でつながります。

Bluetoothは最大4台まで記憶できるので、それぞれペアリングしておけば切り替えられます。便利ですね〜。

いやー、良いわーHHKB。


HHKBの、ただ、一つだけの注意点

タイピングのスタイルにもよりますので、HHKB Professional HYBRIDを使っている人の皆さんがそうなるかどうかわかりませんが、以下のような症状に悩まされました。

「タイピングしていると急にペアリングモードになって、タイピングを受け付けなくなってしまう」

私は結構これが頻発しまして、故障なのかなー、一日に数回は発生するので、ちょっと困ったなー、と思っていろいろ調べてみたら、

  • Fnキー + Q で「Bluetoothペアリングモード」に入る

機能が私のタイピング中に効いちゃってるみたいなんです。「あ、タイピングできない」と気づくと、HHKBの青いインジケーターが点滅してる = ペアリングモードになってる

本人はFn + Qなんて押してるつもりはないので、全く謎だったんですが、少し気にして自分のタイピングを見てみると、

  • 左手小指の付け根を常にFnキーに触れている

というタイピングの癖があることがわかりました。思い起こせば昔からそうだ。ホームポジションに指を配置すると、無意識のうちに左下のFnキーに触れてました。キーに配置されているサブ機能(Fn + AnyKey)をすぐに使えるようにそういう癖がついちゃってるんでしょうね。その時に、日本語の「た = Q」を押すと、FN + Qが効いちゃって、ペアリングモードに入っちゃう、ということでした(笑う)

原因が分かったときは笑ってしまいましたねえ。

っていうか、もう10年以上HHKBを使っていなかったのに、この「Fnキーと小指の付け根が常に触れている」という癖が再現できていたことに驚きました。
「体に覚え込ませる」というのはすごいことですね。

Fn + Xでペアリングモードはキャンセルできるので、それで元に戻ります。

そういえば、左手でタイピングした時だけ、その現象が起きるな、と感じていましたので、特定のキーの組み合わせだろうと思ったら、ビンゴでしたねえ。

Fn + Qは昔の有線HHKBにはなかった機能だったと記憶してますので、今時のHHKB特有の現象でしょうね。

まあ、気をつけていれば回避できることだし、現象発生時の対応方法もわかったし、ホッとしました。
ごめんね。故障かと疑っちゃって。

同じ現象に悩まれている方がおられましたらご参考までに。

いやいや、しかし、良いわHHKB(2回目